試乗のプロが教える!中古車の試乗で絶対確認したいチェックポイント
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中古車の購入を検討している方の中には、「見た目やスペックだけではわからない部分まで知ってから購入したい」「試乗して乗り心地や操作感fを確認してから買うかどうかを決めたい」という人もいるでしょう。
しかし、中古車はすべてが1点物であるだけでなく、車検・保険が切れている車両が多いため、試乗できないケースも多いです。ただし、中には試乗が可能な車両もあります。
この記事では、中古車を検討している方に向けて、中古車の試乗ができるのか、どうすればいいのかを解説するとともに、試乗する際に確認すべきポイントについてもご紹介します。中古車を検討している方は、参考にしてみてください。
中古車は試乗した方がいい? それとも……
「中古車は試乗ができないから、試乗しないで購入するのが当たり前」と思っている方もいるでしょうが、試乗ができる場合には、した方が安心です。中古車は、それぞれ車両の状態が異なります。そのため、試乗せずに購入し、納車後に「思っていたのと違う」となる可能性が高いです。試乗して乗り心地や操作感などを確認してから購入することをおすすめします。
そもそも中古車は試乗できるもの?

中古車は試乗できる場合もあれば、試乗ができない場合もあります。
その理由は、中古車を試乗できるようにすると走行距離が伸びてしまい車の価値が下がってしまったり、車検・保険など公道を走行するための準備ができていなかったりするためです。その他にも、車そのものの価値が高い(希少な車、台数限定車、車両価格が高いなど)ために、試乗を断られるケースもあります。
ただ、中古車の試乗ができるかどうかは、販売店に確認してみなければわかりません。そのため、本気でその中古車の購入を検討しているのであれば、中古車の試乗ができるか聞いてみるとよいでしょう。
中古車を試乗する際の流れは次のとおりです。
中古車試乗の流れ
- 販売店に試乗したい車種と試乗できるか問い合わせて試乗予約をする
- 試乗予約した日時に販売店へ行き、試乗する際の注意点を聞く
- 試乗する
- 試乗した車を返却する
中古車の試乗をする際は、上記のような手順で試乗をします。試乗が終わったときに、購入したい気持ちがより強くなった場合は見積もりを取ったり商談したりするなど、購入に向けた話を進めましょう。
一方、試乗したときに思っていた乗り心地・操作感と違う場合や別の車の方が良いと感じた場合は、「購入を検討していましたが、乗り心地や操作感などが思っていたのと違うため、購入を見送ることにしました」としっかり伝えましょう。
中古車試乗前のチェックポイント

中古車の購入を検討している方の中には、インターネットに掲載されている情報や画像・映像などで、好みの車両か確認することが多いでしょう。しかし、車は文字情報や画像・映像などで知ることができない情報も多くあります。では、購入を検討しているときや試乗する前にチェックしておくべきポイントとは何なのでしょうか。
1:車の外装に傷やへこみなどないかチェックする
中古車に試乗する前は、外装に傷やヘコミなどがないか確認しましょう。実際の車を見ると、画像や映像では見えないほど小さな傷やヘコミがある場合があります。そのため、試乗する前は、車のまわりを一周して、傷やヘコミがないかしっかりチェックしておきましょう。
また、試乗前に車両の外装確認をしておくことで、もしものとき(飛び石や交通事故など)に、試乗による傷およびヘコミなのか、試乗前からあった傷やヘコミなのか明らかにすることができます。
このようなことからも、試乗前は車の外装をしっかり見ておきましょう。
2:車の内装に摩耗や汚れがないかチェックする
車の内装についても、外装と同じように、試乗前に摩耗や汚れなどがないか確認しておきましょう。
特に、車を運転する際に必ず人が乗る運転席まわりは、摩耗や汚れなどが付きやすい箇所です。そのため、運転席まわりは入念にチェックしましょう。
運転席まわりで見落としがちなのは、ステアリング(ハンドル)裏側(運転者と対面していないメーター側)の擦れや劣化、アクセルペダルやブレーキペダルなどの足もと、乗り降りする際に靴を当ててしまうことが多い内側のドアパネルなどです。
中古車を試乗する際は、運転席まわりをはじめ、内装をしっかり確認しておきましょう。
3:気になる臭いがしないかチェックする
中古車の購入を検討しているときや試乗をするときに、確実にチェックしたいのが車内の臭いです。車の臭いは、文字情報や画像・映像などではわかりにくく、実車確認をしなければ知ることができない情報です。
車を購入し、運転して出かけるときは、必ず車内に身を置きます。車とともに過ごす時間のほとんどが車内であるため、中古車を購入する際は、実車確認をして車内に臭いが付いていないか確認しておきましょう。
また、試乗できる場合は試乗したとき、試乗できない場合はエンジンをかけたときに、エアコンを稼働させ、イヤな臭いがしないかというのも合わせて確認しておくことをおすすめします。
中古車試乗時のチェックポイント

中古車の試乗をするときは、短時間でさまざまなことを確認しなければなりません。ここからは、中古車を試乗するときにチェックすべきポイントを7つ紹介します。
また、ここで紹介している7つのチェックポイントは、中古車の試乗をする前に目を通しておきましょう。事前にそれぞれの項目をチェックする理由を理解しておくと、中古車の試乗が有意義な時間になります。
1:エンジンのかかりやすさを確認
気になる車に試乗するときは、いち早く走り出したいと思ってしまうかもしれませんが、一旦落ち着いてエンジンのかかり具合を確認しましょう。
エンジンをかける際に、スムーズにかからなかったり、セルがキュルキュルと回っているもののエンジンがかかりにくかったりするときは、エンジンやその周辺のパーツに不具合がある場合があります。
もし、エンジンがスムーズにかからない場合は、修理によって改善するか、修理が可能かなどを確認しておきましょう。
2:アクセルやブレーキの反応を確認
エンジンをかけて走り出したら、アクセルペダルやブレーキペダルの踏み心地やペダル操作に対する車の反応などを確認します。
アクセルペダルを踏み込んだときにエンジン回転数がスムーズに上がらなかったり、ブレーキペダルを踏み込んだときの制動力が弱かったりするなど、ペダル操作に対する反応が鈍い(悪い)ときは、修理で改善されるか確認しましょう。
3:座り心地の良さの確認
中古車の試乗をするときは、乗り心地だけでなく、シートの座り心地をチェックしましょう。
車両によっては、経年劣化によってシートがヘタっている場合があります。座り心地が悪いと感じたり、シートクッションの反発がなく底づきしたりするときは、シート交換が可能か確認しましょう。
また、運転席だけでなく、助手席、後席、3列目シートがある車の場合は3列目シートの座り心地も確認しておくことをおすすめします。
4:異音・振動等の不具合有無を確認
中古車の試乗をしているときは、車の異音や振動がないか確認しましょう。異音や振動を確認するためにも、試乗中はオーディオを切っておくことをおすすめします。
オーディオなどの音を確かめたいときは、車を止めているときに行うとよいでしょう。また、走行中のオーディオの聞こえ方を確かめたいときは、試乗の途中でオーディオをオンにして聞こえ方を確認できたら、再びオーディオをオフにするなど、必要最低限のチェックで済ませるようにしましょう。
5:加速・減速のスムーズさを確認
試乗では、アクセルペダルを踏み込んだ分だけ加速するか、ブレーキペダルを踏んだ分だけ減速するか確認しましょう。
特にブレーキをかけたときに、しっかりと減速するか、踏んだ分だけ制動力がかかるかといった点に注目しながら試乗することをおすすめします。
車を運転する際は、加速・流れに合わせた走行ができることも重要ですが、それ以上に速度を落とせること・確実に止まれることの方が重要です。そのため、中古車に試乗する際は、ペダル操作に対してしっかり減速および停止できるか確認しておきましょう。
6:ハンドリングのスムーズさを確認
中古車の試乗をするときは、直線路だけでなく、カーブや曲がり角、交差点(右折と左折)、転回、駐車などを織り交ぜ、ハンドリングがスムーズか確認しましょう。
ステアリング(ハンドル)を回したときに違和感があったり、引っかかるような手応えがあったりする場合は、ステアリングまわりに不具合が発生している可能性があります。
ステアリングまわりの不具合に気づくためにも、試乗するときは直線路以外の場所も走行しましょう。
7:カーナビなど機器類の動作確認
中古車の試乗をするときや購入を検討しているときは、オーディオ・カーナビ、エアコン、パワーウィンドウなどの電装品が正常に作動するか確認しましょう。
また、電装品の動作確認は、試乗する前後(車が止まっているとき)にチェックすると落ち着いて確認できます。確認漏れがないようにするためにも、電装品の動作確認は車を安全な場所に止めてから行いましょう。
試乗で気になる点を見つけたらどうする?
中古車は、新しい車ではないため、すべてが新品ではありません。また、何らかの不具合や不調、その車ならではのクセがある場合もあります。
中古車の購入を検討や試乗をしたときに、候補の車の不具合・不調、気になる点を見つけた場合、修理で改善されるか確認しましょう。
また、修理を完了した状態で納車させるかという点についても販売店に確認しておくことをおすすめします。もし、納車までに修理が可能であれば、修理費用がいくらか、修理が完了して納車されるまでの期間がどのくらいなのかということも合わせて聞いておきましょう。
特に、車検のタイミングで車の乗り換え・買い替えを検討している方は、車検満了日までに納車されるか、しっかりと確認しておくようにしてください。
試乗のポイントを押さえて中古車選びに活かそう!
中古車の購入を検討し始めたとき、中古車探しはインターネットで簡単にできます。また、候補に挙げた中古車の外装や内装などは画像や映像で確認することが可能です。ただし、画像や映像では確認できないことも多くあるのが中古車です。
例えば、車内の臭い、シートの座り心地、走行中の乗り心地、ステアリングやペダルの操作感などは、実車を見たり試乗したりしなければわかりません。
中古車を購入する際は、可能な限り実車確認と試乗をして、この記事で解説してきたポイントをチェックするようにしましょう。
企画監修・執筆

齊藤優太
自動車ライター/インストラクター/ジャーナリスト
フリーランスの自動車ライター/インストラクター/ジャーナリスト。新車ディーラーの営業職、指定自動車教習所の教習指導員、中古車買取、タクシードライバーなど、自動車に関連する仕事に従事した後フリーランスとなる。現在は、自動車ライター/インストラクター/ジャーナリストとして、さまざまな媒体へ記事を寄稿したり、メディアに出演したりしている。
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