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車を選ぶときには、「排気量」について知っておくことが欠かせません。そもそも排気量とは何を表すもので、排気量が違うと何が変わるのでしょう。排気量が大きい車のメリット・デメリットも含めて説明します。

車の排気量とは

車の排気量とは、エンジン内部の燃焼工程に関わる容積を表す数値です。

そもそもエンジンは空気を吸い込んでガソリンなどの燃料と混ぜて爆発させることで動力を生み出します。そのエンジンが吸い込むことができる燃料と空気の総量が排気量です。一般的に排気量は「2000cc」や「2L」など容積を示す単位で表されます。

排気量は「シリンダーの内径(ボア)×ピストンの上下運動の長さ(ストローク)」で計算します。シリンダーは燃料を燃やす円筒形のパーツであり、そのシリンダー内部にはまり込んで混合気の圧力を受けたり混合気を圧縮したりしながらシリンダー内を往復するのがピストンです。

シリンダーが4つある場合は4気筒と呼ばれ、排気量も「シリンダーの内径(ボア)×ピストンの上下運動の長さ(ストローク)」で算出された数値の4倍となります。

排気量はその車のカタログ、またはメーカーのホームページにある主要諸元表や車検証に載っています。ちなみに主要諸元表や車検証には、カタログにあるような「2000cc」などのキリのいい数字ではなく、「1996cc」など詳細で正確な排気量が記載されています。

車の排気量が違うと何が変わる?

車の排気量は軽自動車の660㏄から大型車では5000㏄を超えるものまで、車によってさまざまです。排気量の違いによって、車のパワーやサイズはもちろんのこと、ナンバープレートや納税額なども変わってきます。車の排気量が変わるとどんな影響があるのか、具体的に見ていきましょう。

ナンバープレートの分類番号

まず、軽自動車の排気量は660ccが上限と定められています。ナンバープレートの分類番号が5または7で始まる(5ナンバー車、7ナンバー車)小型乗用車の排気量は2000cc以内です。そして全長4.7m、全幅1.7m、全高2.0m以下で、排気量2000cc以内という小型乗用車の基準を1項目でも上回ると、ナンバープレートの分類番号が3で始まる(3ナンバー車)普通乗用車に分類されます。

車のサイズや車種

排気量が大きいほど、基本的に車のサイズも大きくなります。排気量はシリンダーの中でピストンが上下に動く範囲の容積を表した数字ですので、排気量が大きくなると、エンジン自体もより大きくしなければなりません。また、大きいエンジンを納めるのには十分なエンジンルームが必要となり、必然的に車のサイズも大きくなるというわけです。逆に、サイズが大きい車は重量も増えるため、それに見合った大きさの排気量のエンジンでないと、充分な走行性能を発揮できないという一面もあります。

法律上の区分ではありませんが、いわゆるコンパクトカーは一般的に排気量1000~1500cc、ステーションワゴンは1500~2000cc、ミニバンは1500~2500ccのものが中心です。セダンは2000~3000ccが中心ですが、大型セダン車として5000ccクラスの車種もラインナップされています。さらに、SUVも2500ccを超えることが珍しくなく、5500cc以上という車種もあります。

エンジンパワー

排気量の違いは、簡単に言えば車のエンジンパワーの違いを表しています。排気量が大きければエンジンパワーは大きくなります。エンジンのパワーが強力であるほど加速性能に優れ、エンジンの回転数を抑えることができます。反面、排気量が大きいと燃費は悪くなる傾向があります。

とはいえ、近年は欧州車を中心に、排気量を小さくし、その分ターボを搭載してパワーを確保するダウンサイジングターボという方式が採用されるようになっています。ターボはエンジンが吸い込む空気の量を増やして、同じ排気量でより大きなパワーを得る技術です。また、ガソリンエンジンに加えて電気モーターも搭載したハイブリッド車も普及してきています。

自動車税の納付税額

もう一つ、排気量が違うと自動車税の納付税額が変わってきます。2015年4月1日以後に最初の新規検査を受けた軽自動車(自家用乗用軽自動車)の軽自動車税は年間一律10,800円です。また、それ以外の自家用乗用車の自動車税は2019年10月1日以降に新車登録をした場合、排気量1L (リットル)以下で25,000円、1L超からは0.5L刻みで税額が上がります。最も高いのは6L超の110,000円です。

排気量ごとの自動車税については、下記を参照してください。

新車登録時期の税額
用途区分総排気量2019年9月30日
以前
2019年10月1日
以降
自家乗用車 ~1000cc 29,500円 25,000円
1000cc超~1500cc 34,500円 30,500円
1500cc超~2000cc 39,500円 36,000円
2000cc超~2500cc 45,000円 43,500円
2500cc超~3000cc 51,000円 50,000円
3000cc超~3500cc 58,000円 57,000円
3500cc超~4000cc 66,500円 65,500円
4000cc超~4500cc 76,500円 75,500円
4500cc超~6000cc 88,000円 87,000円
6000cc超 111,000円 110,000円
新車登録時期別の税額
用途区分新車登録年月新車登録から13年
未満
新車登録から13年
以上
軽自動車 2015/3/31以前 7,200円 12,900円
2015/4/1以降 10,800円 12,900円

まとめると、車の排気量は車の区分、エンジンパワーの違い、自動車税などに関わる重要な要素ということになります。

排気量が大きい車のメリット

排気量が大きい車のメリットとして第一に挙げられるのは、上でも少し触れたようにエンジンパワーが強力であることです。アクセルを踏み込めばスムーズに加速して目指す速度に達します。エンジンの回転数もさほど上がらず、音も静かです。アクセルを踏んでもエンジン音がほとんど鳴らず振動もないので、運転がラクで快適に感じるはずです。

坂道を上るとき、定員いっぱいの人数や重い荷物を積んでいるとき、高速道路で合流するときも余裕を持って運転できます。また、高性能なエアコンを搭載していても走りにほぼ影響が出ないのも高ポイントです。

総じて、スムーズで安定した走りが確保されているのが排気量が大きい車の良さだと言えます。

排気量が大きい車のデメリット

反面、デメリットとして最も気になるのは税金が高いことではないでしょうか。仮に3000cc超~3500cc以下とした場合の自動車税は57,000円です。軽自動車税の5倍以上ということになります。

さらに排気量を大きくするにはエンジンを大きくする必要があります。パワーに耐えられるだけの頑強なボディや、高いブレーキ性能も求められます。その結果、車両価格も高くなります。つまり、初期費用も維持費も高くつくのが排気量が大きい車のデメリットということです。

そして燃費の悪さという問題もあります。ただ、燃費については、大人数が乗車して長時間・長距離を走ることが多いような場合は、一般的に燃費が良いとされる排気量の小さな車と比べてみてもさほど変わらないというケースもあります。反対に、1人か2人で乗って、渋滞が多い道を使い、あまり長い距離を走ることがないといった使い方の場合は、燃費の悪さが強調されるでしょう。

排気量が大きい国産車の例

近年、自動車市場では燃費や環境性能が重視され、電気自動車などの脱エンジン車の普及も進む中で、排気量が大きい国産車は減りつつあります。そんな中でも、高級車ブランドのレクサスをはじめ、大型セダンモデルを抱えるトヨタが、大きい排気量の車を作り続けていますのでいくつか紹介します。

レクサス(トヨタ)

レクサスは、欧州の高級車ブランドであるメルセデス・ベンツやBMWなどに対抗できる国産車を生産するために、トヨタが立ち上げた高級車ブランドです。

レクサスでは、排気量2000㏄クラスの中型車から5000ccクラスの高級スポーツカーまで、品質と走行性能にこだわった排気量の大きい車種が豊富に取り揃えられています。セダン、SUVそれぞれのフラッグシップモデルであるLSやLXは3500ccクラスのエンジンを、ハイエンドスポーツクーペのRCFは5000ccクラスのエンジンを搭載しています。

センチュリー(トヨタ)

トヨタが誇る最高級セダンであるセンチュリーは、1976年の登場以来、日本最高峰の高級車としての地位を保ち続けてきました。

現行モデルには、5000ccのエンジンと高出力モーターを組み合わせたハイブリッドシステムが搭載されており、余裕の走行性能に加え、高い静粛性や燃費性能も実現しています。ショーファーカー(お抱え運転手付きの車)として使われることが多いため、後席の居住性や乗り心地には特にこだわって、独自の技術を駆使して作り込まれています。


排気量によって車の性能やコストが変わります。購入する目的や用途を考え、自分のライフスタイルに合った排気量の車を選びましょう。 車選びに悩んだら本記事を参考にしてみてください。

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