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チャイルドシート

法律で決められたチャイルドシートの着用義務は何歳までなのでしょうか。また、違反した場合の罰則はあるのでしょうか。これからチャイルドシートを購入しようと思っている方のために、チャイルドシートに関する基礎知識を解説していきます。

チャイルドシートの着用義務は何歳まで?

6歳未満の子供(幼児)を車に乗せる場合は、チャイルドシートの着用が義務付けられています。つまり、5歳まではチャイルドシートを着用しなくてはなりません。このことは道路交通法の第71条3項に以下のように記載されています。

「自動車の運転者は、幼児用補助装置(幼児を乗車させる際座席ベルトに代わる機能を果たさせるため座席に固定して用いる補助装置であって、道路運送車両法第三章及びこれに基づく命令の規定に適合し、かつ、幼児の発育の程度に応じた形状を有するものをいう。以下この項において同じ。)を使用しない幼児を乗車させて自動車を運転してはならない。ただし、疾病のため幼児用補助装置を使用させることが療養上適当でない幼児を乗車させるとき、その他政令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない。」

ただし、身体の小さな子供は年齢に限らずチャイルドシートを着用した方が安全です。大人用のシートベルトは身長約135cm~140cm以上の体型に合うように設計されています。ということは、6歳を過ぎていても身長が135cmに達していない場合、大人用シートベルトを使うのは適切ではないことになります。

ベビーシート、チャイルドシート、ジュニアシートはそれぞれ何歳まで?

国土交通省によると、子ども用のシートは大きく乳児用、幼児用、学童用の3種類に分けられていて、それぞれに名称が異なります。このうち、身長100cm以上の子供が使用するシートは「ジュニアシート」と呼ばれていて、10歳までが対象です。どのシートを使用するのかは年齢や身長、体重などによっても異なり、適切なシートを選ぶことでより安全性が高まります。ここではシートの種類ごとの対象年齢や適性身長・体重について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

シートタイプ 対象年齢 身長体重
乳児用(ベビーシート) 新生児~1歳くらい 身長:70cm以下
体重:13kg未満
幼児用(チャイルドシート) 1歳~4歳くらい 身長:65~100cm
体重:9~18kg
学童用(ジュニアシート) 4~10歳くらい 身長:135cm以下
体重:15~36kg

6歳以上でも身長135cm以下の子供は、このうちのジュニアシートを利用しましょう。ジュニアシートは座席を上げて背の高さを補い、腰ベルトの位置を子供の臀部に合わせることで大人用シートベルトを使えるようにするシートです。

ジュニアシートを利用せず、身長135cm以下の子供が大人用シートベルトを着用すると、事故などの大きな衝撃を受けた際に首や内臓に多大なダメージを受ける危険性があります。安全を守るために必ずジュニアシートを使用しましょう。

チャイルドシートの着用義務を違反した場合の罰則は?

チャイルドシートの着用義務を怠ったドライバーには罰則や罰金、反則金などは科せられませんが、交通違反の点数が加点されます。具体的には「幼児用補助装置使用義務違反」で1点の加算となります。

違反点数が加点されるだけとはいえ、子供の命を守るためにチャイルドシートは必要なものです。チャイルドシートは必ず用意し、子供を車に乗せるときは着用することを徹底しましょう。

実際にはみんな何歳までチャイルドシートを利用している?

交通事故の被害から小さな子供の命を守るチャイルドシート。道路交通法第71条では、「自動車の運転者は、チャイルドシートを使用しない6歳未満の幼児を乗せて運転してはならない」と定められていて、その使用率は年々高くなっています。

子供用シートは、幼児用のチャイルドシート以外にも乳児用のベビーシートから学童用のジュニアシートまで年齢に応じて3つの種類がありますが、実際には子供を乗せて車を運転している人たちは、何歳までチャイルドシートを利用しているのでしょうか。

令和4年4月22日から6月30日までに警察庁とJAF(一般社団法人日本自動車連盟)が合同で行った全国調査によると、年齢層別のチャイルドシート使用状況は、1歳未満が89.9%、1歳から4歳が76.7%、5歳が53.5%となっていて、いずれも前回調査よりも着用率は増えてはいるものの、年齢が上がるにつれてチャイルドシートの利用率は低下しています。

また、着用義務のない年齢である小学生の使用率に至っては21.9%とさらに低くなっています(小学生のデータは2013年3月実施JAFユーザーアンケートより)。身長135cm未満の場合はジュニアシートが必要ですが、年齢で区切って使用をやめてしまう場合も多いようです。

6歳未満でもチャイルドシートの着用が免除されるケース

道路交通法によって着用が義務付けられているチャイルドシートですが、6歳未満でも条件によっては着用が免除されるケースがあります。道路交通法施行令第26条3の2の第3項によると、着用義務が免除されるのは以下の8つのケースです(法律文をわかりやすく噛み砕いた文章で説明します)。

1.座席の構造上、チャイルドシートを固定させることができないケース。

2.定員内の乗車であるという条件下で、乗車する幼児全員がチャイルドシートを使用すると全員が乗車できなくなるケース。

3.幼児に負傷や障害が認められ、チャイルドシートを使うと療養上または健康保持上よくないと考えられるケース。

4.著しい肥満やその他幼児の身体の状態により、チャイルドシートを着用することが困難なケース。

5.運転者以外の者が、チャイルドシートを使用した状態では幼児に対し授乳などの日常生活上の世話ができないケース。

6.タクシーやバスなどの旅客となるケース。

7.許可された自家用運送車(道路運送法第78条の2項と3項に該当する車)に幼児を乗せるケース。

8.応急救護のための医療機関や官公署などに緊急に搬送の必要があるケース。

どんな車だとチャイルドシートを固定させることができない?

「チャイルドシートが固定できない車」というのは、座席にシートベルトがついていない車や、シートベルトが2点式や4点式といった特殊なタイプがつけられている場合です。

例えば、幼稚園の送迎バスにはチャイルドシートが必要な年齢の子供たちが乗車しますが、座席が幼児専用になっているため、チャイルドシートを取り付けができず免除となります。ただし、座席が一般の仕様で、シートベルトでチャイルドシートを固定することができる場合には、取り付け免除の対象からは外れるため注意が必要です。

チャイルドシートを使用すると全員が乗車できなくなる状態とは?

自動車の乗車定員は、12歳未満の子供については1.5人で大人1人の計算になります。つまり、8人乗りの車に大人が2人乗る場合、乗車できる子供の人数は9人となります。例えば、この9人の子供が全員6歳未満だった場合、原則では全員がチャイルドシートを着用しなくてはいけないわけですが、車のスペースを考えると人数分の設置は不可能です。

このような場合では、チャイルドシートを全員分設置することは免除され、チャイルドシートは設置できる限りで良いとされています。ただし、これには「定員内の乗車である」ことが条件です。また、例え定員を守っていたとしても、子どもが多すぎて運転に支障が出るような状態であれば、安全のためにも人数を調整するなどの工夫も必要でしょう。

チャイルドシートの選ぶときのポイント

チャイルドシートは、以下の3つのポイントに注意して選びましょう。これらを守ることでより安全性を高くすることができます。

子供の成長に合わせたチャイルドシートを使う

子供の成長に合わせて、前述した乳児用(新生児~1歳くらい)、幼児用(1歳~4歳くらい)、学童用(4~10歳くらい)の3種類のチャイルドシートを使い分けましょう。

新生児から11歳頃までの間に3タイプのチャイルドシートを購入するのは大変ですが、レンタルをするという選択肢もあります。チャイルドシートのレンタル費用の平均は、1週間で3,000~4,000円ほどです。また地域によっては購入にあたって自治体の補助金(助成金)が利用できる他、自治体が割引レンタルやリサイクルを行っていることもあります。

最近では新生児~4歳頃まで使用できるロングスパンモデルも登場しています。車を日常的に利用していてよく子供を乗せる場合には、こうしたモデルを探してみましょう。

「Eマーク」が付いているものを選ぶ

国が定めた安全基準をクリアしているチャイルドシートには「Eマーク」が添付されています。まずこのEマークが付いていることを確認してください。

なお、2012年6月30日以前に製造されたチャイルドシートには、旧基準に適合していることを示す「自マーク」が付いていることがあります。古いチャイルドシートを譲り受けるときや中古品を購入するときは注意しましょう。

「R44」か「R129」かもチェックしてみる

Eマークには規則番号が付与されており、R44とR129の2種類があります。R44は従来の安全基準で、R129が新基準です。両者の大きな違いは、R129がISOFIXによるシートの取り付けをベースとしている点です。ISOFIXとは、チャイルドシートを取り付ける際に専用のコネクターで固定する仕組みのことで、シートベルトで固定するよりも、取り付けミスが少なく、また安定性が高いため、より安全な仕組みとされています。

その他、R44とR129の違いとしては、

・R44では前後の衝撃実験のみに対応していたが、R129では左右からの衝撃にも安全が確保されている

・より高い安全性を確保できる、後ろ向きのチャイルドシート取り付けの義務期間が、R44の生後12か月から、R129では生後15か月まで延長されている

・R44では体重を基準としてサイズを決めていたが、R129ではより個人差の少ない身長に基準が変更された

などが挙げられます。

今後はより安全性の高いR129がスタンダードとなると考えられています。チャイルドシートを選ぶ際の参考にしてください。

自分の車に設置できるか確認する

チャイルドシートの取り付け方法には、「シートベルト固定タイプ」と「ISOFIX(アイソフィックス)タイプ」の2つがあります。

前述したように、「ISOFIX(アイソフィックス)」とは、チャイルドシートを車の座席に固定するためのより安全性の高い仕組みのことです。

2012年7月以降に販売された車には、「ISOFIX(アイソフィックス)」の取り付け装置を標準装備することが義務付けられています。この方式ではシートベルトを使用せず、チャイルドシートの金属製バーコネクターを車両側の金具に差し込んで固定します。誰でも簡単に、確実にチャイルドシートを取り付けられ、適切に装着できるかどうかもインジケーターで確認できます。自分の車がISOFIX対応車種であれば、ISOFIX対応のチャイルドシートを入手してください。

ISOFIX未対応の古い車の場合はシートベルト固定タイプを選びましょう。

チャイルドシートはどこで購入する?

チャイルドシートは、赤ちゃん用品専門店やカー用品店、自動車ディーラーなどの実店舗の他にインターネットなどでも買うことができます。

赤ちゃん用品専門店は最新モデルから型落ちまで値段もブランドも幅広い種類を揃えていることが多く、希望の価格にあったものを選ぶことができるのが特徴です。カー用品店や自動車ディーラーでは扱っている種類はそれほど多くなくても、高品質のものを選ぶことができます。また、インターネットの場合には、主流ブランドのものからノンブランドのものまで、豊富な種類・金額のなかからじっくりと選ぶことができるのも特徴です。状態の良い中古品などを扱っているサイトもあり、できるだけ購入費用を抑えたいという場合におすすめです。

チャイルドシートはどのくらい被害軽減につながる?

チャイルドシートが着用義務となっているのは、事故が起こったときの被害を抑えるためです。では実際、着用にはどのくらい効果があるのでしょうか。

警察庁の発表によると、平成 30 年~令和4年における6歳未満幼児の自動車同乗中の状況を見てみると、チャイルドシートを適正に使用している場合は、交通事故による致死率が0.06%であるのに対して、適正に使用していない場合の致死率は0.29%と、適正使用者のおよそ4.6倍に上りました。なおここで「適正使用」とは、チャイルドシートが車両に適切に固定され、かつ、子供がチャイルドシートを適正に使用していることを指しています。

チャイルドシートを装着し、適正に使用することは、交通事故による子供の被害を軽減し、安全の確保に大きく寄与していることは、統計上でも明らかと言えます。

子供の安全を守るために必要なチャイルドシート。6歳未満の子供には必ず着用させるというルールを守り、またチャイルドシートを選ぶときのポイントもしっかりと把握しておきましょう。

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