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これから車を初めて購入されるような人はもちろん、日常的に自動車を運転していても、車の各部位の名称や、それが何を指しているかなど、知らないままにしている方もいるでしょう。

車の各部位の名前とその役割を知っていると、点検や修理の際にディーラーや修理業者とのやり取りがスムーズになり、何かと役立ちます。ここでは、車の部位の名称と特徴を一覧形式で説明します。

※車種によっては、存在しない部位、本記事の説明とは役割・機能が異なる部位もあります。

車の部位名称

車の部位の名称は、基本的に外装、内装に分けて考えると良いでしょう。また、「フロント(前方)」や「リヤ(後方)」など、大まかな場所を示す言葉もあります。

【外装編】車の部位の名称一覧(各部位の役割なども解説)

車の外装に関連してよく使われる部位の名称とその役割について説明します。

車の外装説明
名称どんな部位?
バンパー車の前方・後方についている膨らんだ部分
ボンネットエンジンルームを覆っているフタ
ヘッドライト車の前方についているライト
ウインカー車の四隅についている方向指示器
フロントグリルヘッドライトの間にある格子状の部分
ルーフ車の屋根の部分
フロントガラス車の前方にあるガラス
ワイパーガラスなどの表面を拭き取る装置
ドアミラー左右の前席ドアについているミラー
サイドシル車のドアを収める下側の受けの部分
フェンダー車の前後のタイヤを覆っている部分
ピラー車のボディーとルーフをつなぐ部分
リヤドア後部座席の左右についているドア
バックドア車の後方についているドア
タイヤ車と路面の接する部分にある輪の形の部分
バックランプ後方発進の際に点灯する白色のランプ
テールランプ車の後方左右についている赤色のランプ
ブレーキランプブレーキをかけると点灯する赤色のランプ
トランク車の後部にある荷物置き場
給油口燃料タンクへガソリンを給油する口

バンパー

車の前方・後方についている膨らんだ部分のことです。前方のフロントバンパーはヘッドライトの下、後方のリヤバンパーはリヤランプの下あたりに位置します。車がぶつかった際の衝撃を和らげる役割を担っています。

ボンネット

エンジンルームを覆っているフタを指します。運転席の前側にエンジンルームがある多くの車種では、「フロントフード」と呼ばれることもあります。エンジンルームを守るほか、衝突した際の衝撃を軽減する役割も担っています。

ヘッドライト

車の前方についているライトです。雨天や夜道などの視界が悪い状況で運転する際に前方を照らし、視界を確保する役割を担います。また、対向車に存在を知らせるのも大切な役割の一つです。近年は自動で点灯・消灯するタイプもあります。

ウインカー

車の四隅についている方向指示器です。ランプを点滅させることで車の進行方向を周囲に知らせる役割があります。走行中に右左折するときや、車線変更するときなどに点滅させます。道路を安全に走行するために不可欠な装置です。

フロントグリル

左右のヘッドライトの間にある格子状の部分です。走行中に外の風を取り入れて冷やすことでラジエーター(=エンジンを冷却するパーツ)を守ったり、エアコンの外気導入で空気を取り入れたりする役割があります。

ルーフ

車の屋根のことです。基本的にボディーと同じ素材の銅板で作られていますが、軽量化のために別素材が使われることもあります。ガラス製のルーフが開閉する「サンルーフ」、屋根の強度を向上させるために凹凸をつけた「プレスライン」などのタイプもあります。

フロントガラス

車の前方にあるガラスのことです。走行中に視界を確保するとともに、飛び石などの飛来物から車内を守ったり、事故の被害を軽減したりする役割を担っています。車の保安基準に基づいて設計されており、強度が高いのが特徴です。

ワイパー

ガラスなどの表面を拭き取る装置です。付着した雨の水滴、雪、汚れなどを拭き取ることによって、運転する際に視界を確保する役割があります。フロントガラスのほか、車種によってはドアミラーやヘッドライトに装着することもあります。

ドアミラー

左右の前席ドアについているミラーのことです。一般的に「サイドミラー」とも呼ばれます。左右それぞれの後方確認に用いられます。発進時・走行時・駐車時などに後方を確認し、安全を確保する役割があります。

サイドシル

車のドアを収める下側の受けの部分のことです。車に乗る際に敷居となるだけでなく、車の強度を高める役割があります。特にルーフのないオープンカーなどの場合は、車全体の強度を補うために、サイドシルを高く太くしています。

フェンダー

車の前後のタイヤを覆っている部分のことです。前輪は「フロントフェンダー」、後輪は「リヤフェンダー」と呼ばれます。泥よけや、小石の跳ね上げ防止の役割があります。また、走行中にタイヤが障害物や人に接触するのを防ぐ役割もあります。

ピラー

車のボディーとルーフをつなぎ、ボディー剛性を高める部分のことです。フロントガラスの両端にあるAピラー(フロントピラー)、前席と後席の間のBピラー(センターピラー)、さらにリヤガラスの両端にあるCピラー(リヤピラー)などがあります。

リヤドア

後部座席の左右についているドアのことです。ドアの開閉方式は、手前に引いて開閉するタイプの「ヒンジドア」と、横にスライドして開閉するタイプの「スライドドア」に大きく分けられます。近年は、自動開閉する利便性の高いスライドドアもあります。

バックドア

車の後方についているドアのことです。多くの車種では、トランクへ荷物を積み下ろしする際に開閉します。上方向へ開く「跳ね上げ式」、中央から左右へ開く「観音開き式」、横方向へ開く「横開き式」などのタイプがあります。

タイヤ

車と路面の接する部分にある輪の形の部分です。車の重量を支えるとともに、前進・停止のパワーや、進行方向へ曲がるパワーを路面に伝える役割があります。また、路面の凹凸によって生じる衝撃を和らげるのもタイヤの大切な役割の一つです。

バックランプ

車の後方左右についていて、後方発進の際に点灯する白色のランプです。「後退灯」とも呼ばれます。ギアをR(リバース、バックギア)に入れたときに点灯し、周囲に後退を知らせる役割を担っています。

テールランプ

車の後方左右についている赤色のランプです。「尾灯」とも呼ばれます。ヘッドライトと連動して点灯する仕組みになっていて、夜間や視界が悪いときに車の存在を後続車や歩行者に知らせる役割があります。

ブレーキランプ

車の後方左右についていて、ブレーキをかけると点灯する赤色のランプです。「停止灯」とも呼ばれます。ブレーキペダルと連動して、ペダルを踏むと点灯する仕組みになっています。後続車に減速中であることを知らせるのが役割です。

トランク

車の後部にある荷物置き場です。乗車スペースと荷物置き場の空間が分かれている「密閉型」と、乗車スペースと荷物置き場が同一の空間にある「開放型」があります。なお、開放型をトランクと区別して「ラゲッジスペース」と呼ぶこともあります。

給油口

燃料タンクへガソリンを給油する口のことです。車の後方の、左右いずれかに設置されています。マフラーからの距離など車の設計によって給油口の配置が変わるので、車種によって左側・右側の違いがあります。

【内装編】車の部位の名称一覧(各部位の役割なども解説)

続いて、車の内装に関連してよく使われる部位の名称とその役割について説明します。

内装
内装
名称どんな部位?
ハンドル進行方向を操作する輪の形をした装置
ダッシュボードエンジンルームと運転席・助手席を隔てる部分
センタークラスタースイッチ類が集中したインパネの中央部分
メーターパネル運転席前面のハンドル付近についている計器盤
グローブボックス助手席の前についている収納スペース
シガーソケット車内でタバコに点火するための機器
センターコンソール操作部のレバーなどの機能が集中した部分
シフトレバー車のトランスミッションを操作するレバー
カップホルダー車内で飲むドリンクを置くためのパーツ
イグニッションスイッチ車のエンジンを始動させるためのスイッチ
コンビネーションスイッチハンドル脇にある複数のスイッチが一体になった部分
ホーンスイッチ緊急時にクラクションを鳴らすためのスイッチ
フューエルリッドオープナー燃料タンクのフタのロックを解除するレバー
ボンネットオープナーボンネットのロックを解除するためのレバー
アクセルペダル右足で操作して車を発進させる装置
ブレーキペダル右足で操作して車のブレーキを操作する装置
パーキングブレーキ駐停車中に停止状態を保つための装置
ルームミラー前席の天井の中央に設置されたミラー
レジスターエアコンの吹き出し口

ハンドル

車の進行方向を操作する輪の形をした装置です。回転させて操作するという意味合いから「ステアリングホイール」とも呼ばれます。右へ進むときは右回転、左へ進むときは左回転させることで、進行方向をコントロールします。

ダッシュボード

エンジンルームと運転席・助手席を隔てる部分です。「インパネ(=インストルメンタルのパネル)」とも呼ばれ、もともと速度計など運転席前の計器盤を指す用語でした。現在はエアコン・オーディオなどのスイッチやエアバッグなども含めたパネル全体を指します。

センタークラスター

運転席と助手席の間にあるインパネの中央に位置する、エアコンやオーディオのスイッチ類が集中している部分のことです。「クラスター」には集団や塊という意味があり、車ではスイッチや計器類が集まった部分のことを指します。

メーターパネル

運転席の前面のハンドル付近についている計器盤です。計器類やランプによって現在の車の情報を確認できます。例えば、走行速度を示す「スピードメーター」、ガソリンの残量を示す「燃料計」、エンジンの回転数を示す「タコメーター」などが搭載されています。

グローブボックス

助手席の前についている収納スペースです。もともと車の点検・修理で使う手袋(グローブ)を収納していましたが、現在は車検証などを収納するケースが多くなっています。運転席からも取り出しやすいよう、助手席の前に設置されています。

シガーソケット

車内でタバコに点火するための機器です。ダッシュボードの運転席と助手席の間(センターコンソール)に装備されています。シガーライターが電気によって加熱され、タバコに火がつく仕組みです。現在は充電用電源として使われるケースが多くなっています。

センターコンソール

運転席と助手席の間にありレバーなどの機能が集中している部分のことです。車種によって異なりますが、一般的には「シフトレバー」や「サイドブレーキレバー」といった操作部のほか、収納スペースやカップホルダーなどが配置されています。

シフトレバー

車のトランスミッション(=ギアを変える仕組み)を操作するレバーです。MT車ではギアを変える際に操作するレバーを指します。AT車ではP(パーキング)、R(リバース、バックギア)、D(ドライブ、前進走行)、N(ニュートラル)を切り替えるレバーを指します。

カップホルダー

車内で飲むドリンクを置くためのパーツです。「ドリンクホルダー」とも呼ばれます。車種によってカップホルダーの有無や個数に違いがあります。ただ、近年は多くの車に人数分のカップホルダーが備えつけられる傾向にあります。

イグニッションスイッチ

車のエンジンを始動させるためのスイッチです。従来はエンジンキーを差し込むキーシリンダーの奥にイグニッションスイッチがあるタイプが主流でした。近年ではボタンを押すことでエンジンを始動させるプッシュ式が多くなっています。

コンビネーションスイッチ

車におけるコンビネーションスイッチとは、ハンドル脇にある複数のスイッチが一体になった部分のことです。左右にスイッチが配置されたタイプと、一体型のタイプがあります。ヘッドライト・ウインカー・ワイパーなど複数のスイッチを兼ねています。

ホーンスイッチ

緊急時にクラクションを鳴らすためのスイッチです。操作性の良いハンドルの中央に配置されています。スイッチを押すと音が連続して鳴り、離すと止まる仕組みです。多くの車種では運転席のSRSエアバッグが内部に装備されています。

フューエルリッドオープナー

運転席付近の足元などに設置された、燃料タンクのフタのロックを解除するレバーです。主にガソリンを給油する際に用いられます。レバーを引くとロックが解除されてフタが開き、給油口のフューエルキャップを開けられるようになります。

ボンネットオープナー

ボンネットのロックを解除するためのレバーです。ボンネットのフタを開ける前にレバーを引くことで、ボンネットが少し浮いて開けられる状態になります。一般的に運転席付近の足元などに設置されています。

アクセルペダル

右足で操作して車を発進させる装置です。基本的にペダルの中でもっとも右に配置されます。エンジンの回転数を制御し、踏み込むと回転数が上がって加速し、戻すと回転数が徐々に下がって減速する仕組みになっています。

ブレーキペダル

右足で操作して車のブレーキを操作する装置です。基本的にアクセルペダルの左側に配置されます。制動装置を制御し、踏み込むことによってブレーキがかかって減速する仕組みです。また、急激に踏み込むとABS(アンチロック・ブレーキ・システム)が作動します。

パーキングブレーキ

駐停車中に停止状態を保つための装置です。ブレーキをかけると車輪が固定され、ブレーキペダルから足を離した状態でも停止状態が維持されます。一般的に「サイドブレーキ」と呼ばれるレバー式のタイプのほか、足で操作するフットペダル式のタイプもあります。

ルームミラー

前席の天井の中央に設置されたミラーのことです。近年はドライブレコーダーやバックモニターの機能を兼ねたタイプのミラーも多くなっています。車外の後方確認に用いられるほか、後部座席の安全を確認するのも大切な役割の一つです。

レジスター

一般的にはあまり使われませんが、エアコンの吹き出し口のことを「レジスター」と呼びます。

車の各部位の名称を知って車の構造も把握すれば、車の維持・メンテナンスにも役立ちますし、マイカーにますます愛着も湧くことでしょう。これを機会にぜひ基本の項目を覚えてみてください。

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