エンジンのかかりが悪い! 原因は何? 故障だと修理代の相場は?
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車のエンジンをかけようとしたときに「キュルキュル」と音が聞こえるもののエンジンがかからなかったり、センターモニターやメーターのランプが点灯しているにも関わらずエンジンが始動できなかったりすることがあります。
車に乗って出かけようとしたときにエンジンがかからなくなると焦ってしまい、どのようにすればよいのかわからなくなることもあるでしょう。
この記事では、車のエンジンがかかりにくくなる原因やかからない原因を解説するとともに、原因別の対処法を解説します。車のエンジンがかからなくなったときに焦らないようにするためにも、この記事を最後まで読んで原因や対処法を理解しておきましょう。
車のエンジンのかかりが悪い原因・かからない原因は?
車のエンジンがかかりにくかったり、かからなくなったりする原因はさまざまです。ここからは、操作、機器、気温、燃料といった種類別の原因とその対処法を解説します。
今まさにエンジンがかからなくて困っている場合は、考えられる原因の見出しへ移動して、対処法を実践してみてください。
また、対処法を実施してもエンジンがかからない場合は、ディーラーや整備工場などに連絡したり、JAFやロードサービスなどの救援を呼んだりしてください。
原因の種類 | 原因 |
操作 | シフトレバーの位置を間違えている |
操作 | エンジンのかけ方を間違えている |
機器 | バッテリーが上がっている、または劣化している |
機器 | スマートキーの電池が切れている |
機器 | セルモーターやオルタネーターが故障している |
機器 | スパークプラグが劣化している、または不具合がある |
気温 | 冬場で気温が低下している |
燃料 | ガソリンや電気が切れている(ガス欠・電欠の状態である) |
シフトレバーの位置を間違えている

車のエンジンは、シフトがパーキング(P)またはニュートラル(N)の位置に入っていないとかかりません。つまり、シフトがパーキング(P)またはニュートラル(N)以外のレンジに入っている場合はエンジンがかからないということです。
例えば、車から降りるときに、サイドブレーキ(パーキングブレーキ)をかけて車が動かないようにする措置を取ったものの、シフトをパーキング(P)に入れ忘れてエンジンを切ってしまうと、エンジンの始動ができなくなります。よくあるのは、ドライブ(D)やバックギア(R)のままエンジンを切ってしまうというケースです。
対処法:シフトレバーの位置を確認!
シフトレバーの位置を間違えている場合は、シフトの位置をパーキング(P)の位置に戻してからエンジンをかけると始動できます。また、シフトをパーキング(P)に戻すときは、車が動き出さないようブレーキペダルを踏んだ状態で操作しましょう。
エンジンのかけ方を間違えている

車のエンジンは、ブレーキペダルの踏み込みがあまかったり、クラッチペダルを奥まで踏んでいなかったりするとかかりません。
ほとんどの車は、ブレーキペダルをしっかり踏んでいないとエンジンがかからないよう制御されています。また、マニュアル車の場合は、ブレーキペダルに加え、クラッチペダルを奥まで踏まないとエンジンがかからないようになっています。
したがって、エンジンを始動させるときは、ブレーキペダル(マニュアル車の場合はブレーキペダルとクラッチペダル)をしっかり踏んだ状態でエンジンスタートボタンを押したりキーを回したりしてください。
対処法:正しい順序でエンジンをかける
AT車のエンジンをかけるときは、ギアがパーキング(P)に入っていることと、サイドブレーキ(パーキングブレーキ)が引かれていることを確かめ、ブレーキペダルをしっかりと踏んだ状態でエンジンをスタートさせます。
マニュアル車のエンジンを始動させるときは、ブレーキペダルを踏み、クラッチペダルを奥まで踏んで、ギアをニュートラルにしてからエンジンをかけましょう。
バッテリーが上がっている、または劣化している

バッテリーの電力が不足(ルームランプをつけっぱなしにしていたことによるバッテリー上がりなど)していたり、バッテリーが劣化していたりすると、車のエンジンはかかりません。
車のエンジンは、バッテリーに蓄えられている電力を使って始動しています。エンジンを始動させるために必要な電力がバッテリーに蓄えられていなかったり、バッテリーの劣化によって電力が不足していたりすると車のエンジンをかけることができません。
バッテリー上がりやバッテリーの劣化によって、車のエンジンがかからないというトラブルを避けるためには、定期的にバッテリーの状態を点検しておくことが重要です。また、バッテリーは消耗品であるため、数年おきに新しいバッテリーに交換するようにしましょう。
対処法:ジャンピングスタートや救援要請
バッテリーが上がってしまったときは、ジャンプスターターを使ったり、救援車を呼んでジャンピングスタートさせたりしてエンジンを始動させます。ジャンピングスタートさせた後は、バッテリーを充電するために、しばらくエンジンをかけたままにしておいたり、1時間ほど走行したりしましょう。
ジャンプスターターがない場合や救援車を呼べないときは、JAFや契約している自動車保険のロードサービスなどに連絡し、救援を要請しましょう。
スマートキーの電池が切れている

スマートキーの電池が切れていると車のエンジンを始動することができません。また、スマートキーの電池が切れていると、キーレスエントリーシステム(鍵穴にキーを差し込むことなくドアの解除・施錠をするシステム)も使えなくなります。
スマートキーの電池切れによって、ドアの解除および施錠、エンジンの始動ができないというトラブルを避けるためには、定期的にスマートキーのバッテリーが残っているか確認しておくことが重要です。
また、スマートキーのバッテリーも車のバッテリーと同様に消耗品であるため、定期的に電池交換しておきましょう。
対処法:アナログキーでの開錠や電池交換
スマートキーの電池が切れたときは、スマートキーに収納されているアナログキーを使って車の解錠や施錠をします。
車のエンジンをかけるときは、エンジンスタートボタンまたはハンドル付近にある鍵マークにスマートキーを当てた状態で、ブレーキペダルを踏みエンジンスタートボタンを押します。
スマートキーの電池は、スマートキーに収納されているアナログキーやスマートキー本体にあるツメなどを動かしてスマートキー本体を開けると交換が可能になります。
万が一のときのためにも、定期的にスマートキーのアナログキーの取り出し方、スマートキー本体の開け方および電池交換の方法を確認しておくとよいでしょう。
セルモーターやオルタネーターが故障している

セルモーターやオルタネーターが故障すると、車のエンジンがかからなくなります。
セルモーターとは、車のエンジンを始動させるためのモーターです。セルモーターが故障するとエンジンを始動させようとしても無音になります。また、セルモーターは10万km程度で寿命となるため、走行距離が10万km程度になったらセルモーターの交換をしましょう。
車の発電機であるオルタネーターが故障すると、バッテリーが充電されなくなります。バッテリーが充電されなくなると、セルモーターを回せなくなり、エンジンの始動ができなくなります。オルタネーターが故障していると「キュルキュル」という異音が発生するため、エンジンルームから異音が聞こえるときは、車を点検に出し、必要に応じて部品交換や修理をしましょう。
対処法:部品交換や修理
車のセルモーターやオルタネーターが故障した場合は、ディーラーや整備工場などに依頼して部品交換や修理をしてもらいましょう。
セルモーター交換の費用相場は部品代と工賃を合わせて3万円〜、オルタネーター交換の費用相場は部品代と工賃を合わせて5万円〜となります。
なお、部品代や修理依頼先および工賃によって修理費用が異なるため、セルモーターやオルタネーターを修理する際は相見積もりを取って修理費用を比較してから依頼先を決めるとよいでしょう。
スパークプラグが劣化している、または不具合がある

ガソリンエンジン車の場合、スパークプラグ(点火プラグ)の劣化・不具合によって、エンジンがかかりにくくなることがあります。
スパークプラグを長期間使用すると、プラグ先端の電極が消耗します。すると、安定して火花を散らすことができなくなるため、エンジンがかかりにくくなったり、振動が大きくなったりします。
エンジンがかかりにくいと感じたり、アイドリング中のエンジン振動が大きいと感じたりしたときは、ディーラーや整備工場に車を持ち込んで点検してもらいましょう。
対処法:スパークプラグの交換
スパークプラグは、ディーラーや整備工場などに依頼して交換することができます。また、スパークプラグには、ノーマルタイプやイリジウムプラグなど、さまざまな種類があるため、どのプラグに交換するかはディーラーや整備工場の担当者と相談して決めましょう。
部品(スパークプラグ)代は、ノーマルプラグが1本約1,000円、イリジウムプラグが1本約2,000円です。修理費用の合計は、エンジンの気筒数や工賃によって異なります。
例えば、4気筒エンジンの場合の部品代は、ノーマルプラグが4,000円、イリジウムプラグが8,000円です。この部品代に工賃がプラスされるため、ノーマルプラグに交換した場合の費用は5,000円〜、イリジウムプラグに交換した場合の費用は12,000円〜となります。
冬場で気温が低下している

気温が低くなる冬は、バッテリーが弱くなったり、エンジンオイルの粘度が高くなったりするため、エンジンがかかりにくくなったり、かからなかったりします。
車のバッテリーは、気温が低いと放電力が弱まります。バッテリーが弱くなると、セルモーターを回す力が弱くなるため、エンジンがかかりにくくなったり、かからなかったりしてしまうのです。
また、エンジンオイルは、気温が低くなると粘度が高くなるという特性があります。エンジンオイルの粘度が高くなると、部品同士の摩擦が強くなるため、エンジンがかかりにくくなります。
対処法:バッテリーの点検や交換
冬場に車のエンジンをかけやすくするためには、冬が本格化する前にバッテリーの点検をして、十分な性能を維持しているか確認しておくことが予防策となります。
バッテリーの点検をしたときに、バッテリーが弱っていることがわかった場合は、バッテリー交換をしておきましょう。
バッテリーの交換費用は、バッテリーのサイズによって異なります。一般的なバッテリーであれば約5,000円〜、アイドリングストップシステムが搭載車やハイブリッド車の補機バッテリーなど特殊なバッテリーの場合は4万円〜が相場となっています。
ガソリンや電気が切れている(ガス欠・電欠の状態である)

エンジン車の場合はガス欠、電気自動車の場合は電欠になると車のエンジンやシステムが起動しなくなります。
ガス欠や電欠は、車の使用者の不注意によって発生することが大半です。不注意によってエンジンやシステムを始動させられなくなったり、車が動かせなくなったりする前に、燃料の給油や駆動用バッテリーの充電をしましょう。
また、エンジン車の場合、長期間にわたり車を動かさなかったために、燃料の劣化が進んでしまい、エンジンがかからなくなることもあります。
対処法: 給油や充電を忘れず、外出中のガス欠・電欠は救援を呼ぶ
走行中にガス欠や電欠になった場合は、動けるうちに安全な場所に車を移動し、JAFや契約している保険会社のロードサービスなどを呼びましょう。
道路上で停止してしまった場合は、二次事故防止措置(ハザードランプの点滅や停止表示器材を置くなど)をとってから救援を呼び、乗員はガードレールの外側など安全な場所で待つようにしてください。
外出先でガス欠や電欠にならないようにするためには、燃料や駆動用バッテリー残量が残りわずかになる前に、給油や充電をする習慣をつけておくのが有効です。
自分でエンジンのかかりが悪い原因・かからない原因がわからない場合は?
車のエンジンがかかりにくい、または、エンジンがかからない原因がわからない場合は、ディーラーや整備工場などに連絡して症状を伝え、対応方法を聞きましょう。
また、ディーラーや整備工場などが休業日だった場合は、JAFやロードサービスを呼び、対応してもらうようにしてください。
エンジンがかからない車を無理やり自分で何とかしようとすると、車が故障したりトラブルが悪化したりすることがあります。そのため、「原因がわからない」「どうしたらいいのか分からず困ってしまった」というときは、迷わず救援(JAFやロードサービスなど)を呼びましょう。
万が一のときにすぐに連絡したり救援を呼んだりできるよう、スマートフォンの電話帳にディーラー、整備工場、JAF、ロードサービスの連絡先を登録しておくことをおすすめします。
エンジンのかかりが悪い原因を確かめよう!
車のエンジンのかかりが悪い・エンジンがかからない原因は、車の使用者の操作不良の他に、機器の不具合やトラブル、気温の低下、ガス欠や電欠などがあります。
車の使用者の操作不良やガス欠・電欠は、ドライバーが気をつけることで回避できるリスクです。
機器の不具合やトラブル、気温の低下が原因となるものは、車の定期点検(法定点検)や車の状態に応じたメンテナンスをしていれば避けられます。
つまり、日頃から車の調子を気にしたり、定期的な点検や整備、部品や消耗品交換などをしっかりと行っていれば、エンジンがかかりにくくなったり、エンジンがかからなかったりするというトラブルを避けることができるのです。
車を安全に走らせるためにも、使用状況に応じて日常点検を実施し、定期的に法定点検を受けるようにしましょう。
企画監修・執筆

齊藤優太
自動車ライター/インストラクター/ジャーナリスト
フリーランスの自動車ライター/インストラクター/ジャーナリスト。新車ディーラーの営業職、指定自動車教習所の教習指導員、中古車買取、タクシードライバーなど、自動車に関連する仕事に従事した後フリーランスとなる。現在は、自動車ライター/インストラクター/ジャーナリストとして、さまざまな媒体へ記事を寄稿したり、メディアに出演したりしている。
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