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夜の高速道路を撮影した写真

夜間の運転は昼間よりも危険性が高くなります。日中とは異なる状況に対応するために、しっかりと「夜間向けの運転」を心がけましょう。昼間の運転と夜間の運転では何が異なるのか、具体的にどのようなことが危険要因として潜んでいるのかを挙げ、安全に運転するために心がけたいこと、知っておきたいポイントを解説します。

昼の運転と何が違う? 夜間運転の注意点

夜は昼よりも暗い……当たり前ですが、このことが運転では大きな違いとして現れます。明るい日中であれば広い視界が確保できますが、夜間はヘッドライトと街灯の明かりが頼りになるため視界は狭まります。

また、夜間の暗がりの中では周囲の景色がゆっくりと後方に流れていくように見えます。さらに夜は交通量も少なくなるのも日中との違いです。

自分自身の体にも、目を向けてみましょう。

一般的に夜は、1日の活動を終える時間帯です。特に意識はしていなくても、体はそれなりに疲れています。時には、判断力や集中力が鈍っていると感じることもあるのではないでしょうか。疲れると体は休息を求め、自然に眠くなります。そうでなくても、暗くなると眠気を催すことは、人の体に備わっている本来のリズムです。

日中と夜の違いとしては、体が疲れていること、眠気を感じやすい時間帯であることも押さえておく必要があります。

夜間運転で意識しておくべき危険要因

上記の違いによって、夜の運転では日中とは違う危険要因が生じます。意識しておくべきポイントを挙げてみましょう。

夜間は歩行者の発見が遅れやすい

夜の繁華街、道路から群衆を撮影

夜間はライトに照らされている範囲の前方視界に集中してしまいがちです。そのため左右の歩行者や自転車に気づきにくくなります。危険の発見が遅れればその分、事故は起こりやすくなります。横断歩道を渡る歩行者との接触事故が多く発生するのも夜間です。自転車は無灯火のこともあるので、こちらも注意が必要です。

夜間はスピードを遅く感じやすい

夜間、車のダッシュボードからの写真

日中と同じスピードで走っているつもりなのに、夜間だと知らず知らずのうちにスピードが出ていることがあります。ただでさえ周囲が見えづらく視野が狭くなっているなかスピードを出しすぎてしまうと、歩行者などの不意な飛び出しに対する反応が遅れて大きな事故につながる危険性が高くなります。

対向車のヘッドライトによるグレア現象

グレア現象とは、対向車と自分の車のヘッドライトが重なり合うことでお互いの光が反射し合い、間にいる歩行者などが見えなくなってしまう現象を指します。

とくに市街地の交差点などでは、対向車のヘッドライトがこちらを向いた瞬間に、横断歩道を渡る歩行者が見えなくなることがあります。一方、歩行者の方は自分がヘッドライトに照らされているため、当然、車からは見えていると思っています。信号が変わりそうなタイミングだと歩行者が無理な横断をしようとしていることもあり、非常に危険です。

さらに雨の日の方が乱反射は多くなるため、グレア現象が起こりやすくなります。センターラインや停止線などの道路標示が確認しづらくなることもあるので要注意です。

夜の道路、対向車のライトがまぶしい

夜間に多くなる歩行者の死亡事故

ここで、令和4年のデータを集計し、内閣府が『令和5年交通安全白書』として公開した報告書の中から、交通事故による死者および重傷者の人数を紹介します。

「昼夜別・状態別交通事故死者数及び重傷者数(令和4年)」というデータによると、事故に遭遇した人の状態が、原付乗車中、自動車乗車中、自転車乗用中、自動二輪車乗車中だった場合は夜の割合が35~40%程度だったのに対し、歩行中だった場合は64.1%でした。歩行者の死亡事故が夜間に多くなることは、データでもはっきり示されているということです。

その要因としては、先ほどもお伝えしたように、ドライバーにとって夜間は見通しがよくないこと、交通量が少ないとスピードを出しすぎてしまうこと、ヘッドライトの特性により右からの歩行者に気づきにくいことなどが挙げられるでしょう。

夜間でも安全に運転するためのポイント

最後に、夜でも安全運転するためのポイントをしっかりと確認しておきましょう。

ハイビームとロービームを使い分ける

ヘッドライトの照射範囲は、ハイビームは前方100m、ロービームは40mです。一方、車の停止距離は60km/hでは約44m、50km/hでは約32mと言われています。つまり、ロービームかつ時速60kmで走っていると危険を察知してブレーキをかけても間に合わない計算になります。そのため夜間の走行は法律や道路交通法では「原則ハイビーム」と決められています。

ただし、対向車の多い市街地でのハイビームはほかの車や歩行者が眩しく感じやすく迷惑になってしまうことも。前を走っている車にとっても、後ろからハイビームで照らされるとバックミラーやサイドミラーにライトが当たって眩しく感じます。

そのため対向車が来たときや前の車に続いて走行するときはその都度、ロービームにする必要があります。

対向車が来るたびにロービームに切り替えるのは面倒だという人もいますが、夜間の事故の多くがロービーム時に発生していることもあるので、きちんと切り替えを行うようにしましょう。

近年は、ヘッドライトの技術開発も進み、状況に応じてハイビームとロービームを自動で切り替える「オートハイビーム」も普及してきました。ハイビームで走行中、前方からの対向車などを検知すると自動的にロービームに切り替わり、ロービームである必要がなくなった段階で再びハイビームに切り替わるというシステムです。

オートハイビームを導入すれば、ドライバーが判断してハイビームとロービームを切り替える必要がありません。切り替え忘れの防止にもつながるでしょう。ただし、オートハイビームを使っても、状況によってはうまく切り替わらないこともあるので、手動での切り替えも頭に入れておく必要があります。

また、霧雨が降っているような日はライトの光が乱反射しがちなのでフォグライトを点灯させた方が視界は見えやすくなります。

周囲の状況によってハイビームとロービーム、フォグライトなどを適切に使い分けましょう。

無理な左折・右折をしない

夜間、左折時は歩行者や自転車が確認しづらくなるため、いつも以上に巻き込みに注意が必要です。サイドミラーを見るだけでは不十分なことも多いので、しっかり目視して確認するようにしましょう。

右折時は右側から来る歩行者などにはヘッドライトが当たらないため、見落としに注意します。対向車の間を縫って走ることに気を取られたり、グレア現象が起こったりすることもあるので、こちらも丁寧な確認を心がけながら慎重にハンドルを切りましょう。

右左折時は無理をせず、歩行者や自転車、対向車などをやり過ごしてから曲がることを心がけてください。

スピードメーターを常に確認する

夜間はスピードを出しすぎていないか、常にスピードメーターを確認することが大切です。高速道路や交通量の少ない道路ではとく注意してください。しっかりと制限速度を守り、急ブレーキなどの動作にも備えておきましょう。

十分な車間距離をとっておく

夜間は前方の車の状況がつかみづらく、前方車の急ブレーキにすぐに反応できない可能性もあります。万が一前方車が急ブレーキをかけても対応できるよう、車間距離は日中以上に十分にとるようにしてください。

疲れ・眠気のあるときは休憩をとる

疲れや眠気を感じたときには、無理をせずに休憩をとることも大切です。

休憩するときは、車から降りて、新鮮な空気を取り入れましょう。軽いストレッチをして体を動かせば、血液の循環もよくなります。どちらも、疲れや眠気をとるうえで有効な方法です。

眠気に関しては、覚醒効果が期待できるカフェインを含むコーヒーや紅茶を飲んだり、ガムをかんだりして一息入れてもよいでしょう。それでも眠気が解消できないときは、安全な場所に車を止め、仮眠をとることも方法です。なお、仮眠を終えた後は、いったん外に出て体を動かし、しっかり体を目覚めさせるようにします。

先進安全自動車(ASV)の機能を活かす

夜間運転の安全を確保するためには、ドライバーの運転をサポートするさまざまなシステムを搭載した、先進安全自動車(ASV)を利用することも方法です。どのような機能があるのか、ピックアップして紹介します。

距離感がつかみにくくなる夜間に起こりがちな追突事故の回避、もしくは被害の軽減に役立つのが「衝突被害軽減ブレーキ」です。車の前部分に取り付けたセンサーが、前方に車や人物、障害物を検知して衝突の危険があると判断すると、ドライバーに警告を促す音などを発信します。これによりドライバーは回避行動がとれますが、ドライバーにその動きがみられない場合は、ドライバーに代わってブレーキを作動させるというものです。

そのほかにも、視界が確保しにくい夜間に安全な車間距離を保つための装置、車線がそれてしまったことを知らせる装置などがあります。

おわりに

日中は、太陽光で周囲が明るく照らされ、視界が開けた中で運転できますが、夜間は、スポット的に照らすヘッドライトを頼りに運転しなければなりません。さらに夜は、疲れも出てきます。集中力が途切れ、判断力が鈍ることもあるでしょう。時間帯的に、眠くなってしまうことも避けられません。夜間は、無理な運転をせずにメーター類をこまめに確認すること、眠くなりそうなときは休憩をとったり仮眠をとったりすることも必要です。上記を参考に、夜間の安全運転を心がけてください。

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