雪道に強いのはどんな車? 選び方のポイントとおすすめ車種5選
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スノーボードやスキーなどのウインターレジャーが楽しい冬。スノーボードなどのグッズを持って行くには、車がもっとも手軽で快適な移動モビリティになりますが、ドライブするモデルによって雪道の走りがまったく違ってきます。安心してラクにドライブできるモデルもあれば、そうではないモデルもあります。
ここでは雪道で安心度が高く、ドライビングが楽しめるおすすめ車を5台紹介します。
雪道に強い車はどんな車?
基本的に駆動方式が四輪駆動のほうが雪道では運転が楽になり、タイヤが滑ってスタックするようなことは少なくなります。四輪駆動も方式によって走破性能が変わってきますが、スタンバイ式と呼ばれるFFベースの四輪駆動車に多い、前輪が滑ってから後輪を駆動するタイプでもかなり安心してドライブできます。
二輪駆動のFFはエンジンが前輪近くにあり、その荷重がかかった前輪を駆動するため滑りやすい路面でもトラクション(駆動力)がかかります。
対照的なのはFRです。同じ二輪駆動でも駆動輪に荷重がかかっていないため滑りやすく、滑ると横方向に動くことがあり運転が難しくなります。しかし、上り坂では後輪に荷重がかかるためトラクションが得られ、ドライビングが上手ければカーブでもスムーズに走り抜けられます。
最低地上高が高くて積雪にも負けない車

路面状況にかかわらず、車を動かすときにはタイヤが路面に接地していて、駆動力を伝えられるかが問題になります。何かの状況でタイヤがうまく路面に接地していない、または接地しにくくトラクションがかからない状態では前進できません。そのため基本的に地面と車体のフロア下に十分な間隔の余裕があるSUVやクロスカントリーモデルほど有利になります。最低地上高が高ければ、雪が車体下に入ってきても抵抗を受けにくいですし、雪で車が押し上げられてタイヤの接地荷重が少なくなることもありません。
逆に車高が低い=最低地上高が低いスポーツ車などはフロア下の雪で抵抗を受け、積もった雪が深ければ車体下に入った雪によってタイヤの接地荷重が抜けやすくなり、進むことが困難になります。また、フロントバンパー下に風を防ぐスポイラーやエアダムが装備されている車も雪道では走行しにくいですし、雪が固まって氷になったような路面ではこうした装備を壊してしまう可能性もあります。
スリップしづらい駆動方式(4WDなど)の車
基本的に四輪駆動であれば、雪道の走破性は二輪駆動よりも格段に高まります。少し前は四輪駆動でも「生活四駆」と呼ばれるようなスタンバイ式は雪道での走破性能は低いとされていました。しかし、電子制御技術が進化した現在は簡易的な四輪駆動車であっても、滑ったタイヤのみにブレーキをかけることで走破性能をかなり高めています。これはブレーキング時にタイヤのロックを防いで姿勢をコントロールしやすくするABSの機能を応用したもののため、軽自動車などにも採用されています。現在新車販売されている乗用車はABSが義務化されているため、こうした制御を搭載するだけで走破性能がアップするようになりました。
例えばスズキのハスラーは軽自動車ですが、四輪駆動にはグリップコントロールと呼ばれる、前述のブレーキコントロール機能が搭載されています。雪道など滑りやすい路面でも軽自動車とは思えないほどの走破性能を発揮します。
山奥のスキー場などに行くにはクロスカントリーモデルが安心できます。基本的に最低地上高が高く、優れた四輪駆動システムを搭載しているため、走るのが難しくなる深い新雪の路面でもグイグイ進むことができます。駆動方式に加え、自重が重いため雪に負けずにトラクションがかかるため安定した走行が期待できます。
雪道に強い装備や機能が付いた車
電子制御で駆動力を増すことは前述したとおりですが、雪道で怖いのは視界を奪われることです。激しい横殴りの雪や路面の雪までも巻き上げるブリザードは、走行が困難になる場合もあります。視界が確保できない状況では停止することになりますが、ブレーキランプを付けていても追突される可能性があります。こうした状況に欲しいのがリヤフォグランプです。視界不良時でも後続車に対して前方に車がいることを認識させることができるランプで、追突防止になります。車種によって設定がない場合もありますが、「寒冷地仕様」などと呼ばれるモデルには設定されていることがあります。
また、フロントガラスにワイパーが凍り付いてしまうのを防ぐ、ワイパーデアイサーという機能も寒冷地仕様に多く見られる便利装備です。ワイパーの停止位置のガラス部分に熱線が入っていて凍らないようにするものです。

また、雪が降っていてもワイパーが機能するようにしたスノーブレードも視界確保には必要で、カー用品店で簡単に手に入り自分で交換することも可能です。そのときにウインドウォッシャー液も寒冷地仕様にしておきます。外気温が低い状況でフロントガラスが汚れた場合にウインドウォッシャー液を使うと瞬時にフロントガラスが凍り付き、視界が奪われることがあります。低温でも凍らないタイプに替えることで安心してドライブできます。
雪道はタイヤ選びも重要!

冒頭でも書いたように、タイヤが路面に駆動力を伝えられなくては進めません。雪道でもっとも必要なのがスタッドレスタイヤです。
ただし、どのスタッドレスタイヤでもいいわけではありません。最近のタイヤは性能がよく、雪を踏み固めた圧雪路では駆動力がよく伝わり、ブレーキングでもよく止まります。こうした状況下では大きな違いはありませんが、問題は氷結路面です。特に寒冷地の交差点付近は各車がブレーキをかけるため路面が磨かれた状態になり、ブレーキが利きにくい状況になりがちです。氷結路面での性能はタイヤによって差があることを理解しておく必要があり、タイヤ購入時には自動車情報サイトなどで評価を調べておくほうがいいでしょう。
また、オールシーズンタイヤは性能がよくなっていて圧雪路ではスタッドレスと大差ない性能のものがあります。氷結路面での性能はスタッドレスにおよばないため注意が必要ですが、非降雪地の都会などからスキー場に行く場合はオールシーズンで十分なことが多く、それはスキー場近くの道が除雪されている場合が多いためです。
雪道に強いおすすめの車5選
ここからは、雪道に強い車をご紹介します。身近なコンパクトカーから本格的なクロスカントリーモデル、モータースポーツを楽しむマニアな方まで雪道を安心して走れ、いざというときには走破性を高めるアイテムを装備しているモデルを厳選しました。
インプレッサ(スバル)の4WD

インプレッサは、生活に密着しているコンパクトカーながら雪道での走破性能はかなりのレベルを実現しています。もちろん雪道に強いのは四輪駆動のグレードで、スバルならではのシンメトリカルAWDを採用しています。水平対向エンジンは低重心で前後重量バランスに優れていて、アクティブトルクスプリットAWDの電子制御AWDによって路面状況によって前後輪にトルク配分します。そのためドライバーが特別なことをする必要はなく、アクティブトルクスプリットAWDに任せておけば安定して走行できます。
新車価格(4WD):301万4000円~351万4500円
GRヤリス(トヨタ)

GRヤリスは少し特殊なモデルで、モータースポーツ用車両を市販車として仕立てています。そのためモータースポーツ、特にラリーを楽しむようなドライビングテクニックを持つドライバーには雪道を走るのがとても楽しいのです。
コンパクトなボディですが1.6Lターボエンジンを搭載し304馬力という高出力を発揮していて、最大トルクは4Lガソリン並みの400Nmを絞り出しています。駆動システムはGR-FOURと呼ぶアクティブトルクスプリット4WDを採用。
前後輪へのトルク配分を走行モードによって変えることができ、NORMALモードでは前輪60:後輪40、GRAVELモードでは前輪53:後輪47、TRACKモードでは前輪60~30:後輪40~70で連続可変します。
雪道ならGRAVELモードが走りやすいですが、積極的なコーナリング姿勢でコーナーを曲がりたいならTRACKモードが楽しめますが、それなりのドライビングテクニックが要求されます。トルセンLSDをフロントとリヤデフに装備しているため路面状況に最適なトルクを左右輪に振り分けトラクションを確保できるのも特徴です。
新車価格:356万円~582万5000円
ランドクルーザー300(トヨタ)

ランドクルーザー300は本格クロスカントリーモデルのため、優れたフルタイム4WDシステムを採用していて、センターデフはトルセンLSDを搭載して前後輪のトルク配分を最適化しています。路面のグリップがいい場所ではトルク配分が前40:後60にセットされ、コーナリング時にはリヤ寄りにトルク配分をすることで高いコーナリング性能を発揮します。スタックするほどの深雪ではリヤの電動デフロックが威力を見せつけます。後輪左右を直結にすることで走破性能が格段に高まります。
さらにGRスポーツにはフロントも電動デフロックを標準装備していて、かなりのシビアコンディションでも走破できる可能性があります。また、GRスポーツは世界初の電子制御でスタビライザーを制御するE-KDSSを採用しているため、路面状況によって各タイヤの接地性を高めてくれます。
駆動モードのマルチテレインセレクトはオート、ダート、サンド、マッド、ディープスノー、ロックの6モードを搭載していて、通常の雪道ならばオートでほとんどの場所を走破でき、ラフロードの深雪などではディープスノーやロックモードを選択すると走破性能が高まります。
滑りやすい路面で便利なのがクロールコントロール機能。アクセルやブレーキ操作をしなくても極低速走行(設定速度は5段階)が可能です。そのためステアリング操作のみに集中できるので安全性が高まります。もちろんタイヤのスリップも自動で抑制するためラクにスタックから脱出できます。
新車価格:525万2500円~813万6700円
エクストレイル(日産)

日産独自の四輪駆動システムのe-4ORCEを採用しているのが特徴です。シリーズハイブリッドのエクストレイルはモーターを持つ利点を生かし、前後2つのモーターと4輪のブレーキを統合制御するためドライバーが目指す走行ラインをトレースしやすいといえます。モーターを使うため制御が速いというのも滑りやすい路面では操縦性向上につながっています。四輪駆動のハイブリッドモデルでトップクラスの操縦性を持っています。
新車価格:403万8100円~596万2000円
アウトランダーPHEV(三菱)

アウトランダーPHEV は、S-AWC(Super All Wheel Control)を採用することで高い走破性能を実現しています。このシステムが4輪の駆動力や制動力を各タイヤ別に制御するため、優れた操縦性を発揮し、雪道でも安定したハイペース走行を可能にしています。
ハイブリッドの特性を生かして前後のモーターを瞬時に制御することで、トルクを配分し、左右輪間の駆動と制動力もコントロール。路面状況に応じて選択できる7つのドライブモードがあって、雪道を走るのならばスノーモードがベストです。滑りやすい路面でも安心感が高く、初心者ドライバーにも優しいといえます。腕に自信があるならターマックモードが楽しいです。これは後輪の駆動力配分を高めるためアクセルで向きを変えながらトラクションも十分かかります。そのため雪道でもコーナリング性能が高く、ドライバーが思う走行ラインをトレースできます。
新車価格:529万4300円~682万6600円
雪道を走るときの注意点
雪道を走る際にはスタッドレスタイヤを装着することがマストですが、路面状況によってはここで紹介した雪に強いモデルでもスタックする可能性があります。必要な時には、動けなくなる前に必ずチェーンを装着しましょう。布製タイヤチェーンは装着が簡単で便利ですが、金属製チェーンのほうがトラクションを得られます。
アイスバーンのなかでもブラックアイスバーンは路面と見分けがつかず、急にスリップします。交差点の手前や橋の上などはアイスバーンになりやすいため慎重に走り、とにかく車間を空けて走ることが安全策です。
他にも、雪で路面が覆われるとその下の路面状況がわからず、縁石や輪止めにヒットする可能性があります。スキー場に行く途中には駐車場が大きいコンビニがよくありますが、駐車場に入ろうとして雪に隠れていた縁石にヒットというのはよくあります。また道路わきの側溝にタイヤを落とさないように注意する必要があります。
危険が多い雪道には、安心して走れる車を選ぼう!
雪道に強い車は、やはり四輪駆動で路面とボディとのクリアランスが大きいSUVということになります。ただし、ここで紹介したランドクルーザー300の走破性能は高いですが、下り坂では車両重量が重いことに注意を払わないといけません。SUVも重い車は慣性が大きいため曲がりにくいうえにブレーキ性能も軽い車のほうが有利になります。スキー場からの帰り道で大きなSUVがコースアウトしているのをたまに見かけます。走破性能は高いですが下り坂は要注意、過信は禁物でスピードを落とすことが必要です。
企画監修・執筆

モータージャーナリスト
丸山 誠
キャンピングトレーラーを所有していたこともあり、キャンピングカーや車中泊に詳しく、キャンプ歴は30年になる。新車の試乗記事や新車解説記事などを執筆。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。
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