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商用車(または営業車)に分類される軽バンは、キャンプやアウトドア、趣味の道具を載せるなど、さまざまな用途に使えるクルマとして一定の人気があります。

今回は、さまざまな使い方に対応できる軽バンの定義や特徴、メリット・デメリットなどを解説するだけでなく、おすすめの軽バン(5車種)や選び方を紹介します。軽バンを検討している方、軽バンの特徴を知りたい方などは参考にしてみてください。

そもそも軽バンとは? 定義を確認しておこう!

一般的に「軽バン」と呼ばれるクルマは、軽自動車の中の営業車に分類されるモデルです。言い換えると、“商用車”として使うことを想定した設計がされている軽自動車ということになります。

ただし、軽バンを含む営業車または商用車は、営業または商用目的で利用しなくても所有することが可能です。個人でバンを所有できるのであれば、軽自動車の乗用車(いわゆる軽ワゴン)と軽バンを分ける必要がないと思われる方も多いでしょう。

では、軽バンと軽ワゴンにはどのような違いがあるのでしょうか。

軽バンと軽ワゴンは何が違う?

軽バンは、モノを運ぶことを想定しているため、荷室容量が多く、ラゲッジスペースが広いことが特徴です。荷物を多く載せたい場面や広い荷室が欲しい方におすすめとなります。ただし、後席の空間よりも荷室のスペースを優先している(広くしなければならない)ため、後席の居住性は乗用車(軽ワゴン)の方が優れています。

一方、軽ワゴンは、人を運ぶことを想定している軽自動車であるため、乗員の居住性を優先した設計がされていることが特徴です。よって、後席シートの座り心地や足元空間が広くなっています。ただし、乗員の居住性を優先しているために荷室空間は、軽バンと比べると狭くなります。

軽バンを選んだ場合のメリット・デメリット

軽バンは、モノを運ぶことを想定した設計がされている軽自動車です。そのため、商用利用だけでなく、キャンプやアウトドア、釣りなど、荷物が必要な趣味を楽しむ際にも活躍するクルマといえるでしょう。軽バンを選ぶメリットとデメリットをまとめると、次のようになります。

メリットデメリット
・荷物をたくさん載せられる
・多くのモノを載せても走りが安定している
・フラットで広いラゲッジスペースを作り出すことができる
・広大な荷室空間をアレンジすることで用途に応じた室内空間を作ることができる
・オリジナルの1台を作ることができる
・維持費が安い
・乗用モデルと比べると後席のシートの座り心地がよくない
・乗用モデルと比べると後席空間が狭い
・荷物を載せることを想定しているため乗り心地がよくないと感じることがある
・クルマの装備が必要最低限
・初回車検までの期間が短い  

軽バンを選ぶメリット

軽バンを選ぶメリットは、使い勝手の良い室内空間を用途に合わせてアレンジできることです。車中泊できるようアレンジしたり、釣りやアウトドアなどを楽しむために荷物をたくさん載せられるようスペースを区切ったりすることができます。

軽バンは、軽ワゴン(乗用モデル)と比較すると、維持費(自動車税)が安いこともポイントとなります。軽バンの自動車税は年間5,000円(貨物用自家用)であるのに対し、軽ワゴンの自動車税は年間10,800円(乗用自家用)です。

このように、さまざまなメリットがあることから、あえて軽バンを選ぶという方もいます。

軽バンを選ぶデメリット

軽バンのメリットを知ると、軽バンの方がいいのではないかと思う方もいるかもしれません。しかし、軽バンにはデメリットもあります。

軽バンは、モノを運ぶことを想定しているモデルです。そのため、前席の空間は十分に確保されていますが、後席は狭くなっています(法律により、後席空間よりも荷室空間が広くなければならないと定められている)。また、シートの座り心地や質感は、乗用モデルよりも簡素になっています。よって、シートの質感を重視する場合や後席に人を乗せることが多い場合は、軽バンではなく軽ワゴンを選ぶとよいでしょう。

走行時の乗り心地にも違いがあります。軽バンは、荷物をたくさん載せることを想定した設計がされているため、乗用モデルと比べると乗り心地が硬く(ハードに)感じられます。軽自動車を選ぶときに乗り心地を重視する場合は、バン(営業車/商用車)ではなく、乗用車を選びましょう。

軽バンのおすすめ5車種を紹介!

軽バンと一言でいっても、さまざまなタイプがあります。ここからは、軽バンのおすすめモデルを5車種紹介します。それぞれのモデルの特徴や荷室寸法もあわせて解説していますので、軽バン選びをするときの参考にしてみてください。

エブリイ(スズキ)

エヴリィ
エヴリィ

スズキのエブリイは、全高が高いワンボックスタイプの軽バンです。タイヤをボディの四隅に配置し、荷室空間を広くとっていることが特徴となっています。

後席部にスライドドアを採用しているため、狭い場所で荷物の積み降ろしをするときも楽にできます。さらに、大きなバックドアにより、高さがある荷物を載せやすいだけでなく、雨の日に雨宿りすることも可能です。

2015年に登場した現行モデル(通算12代目)は、発売以降も進化を続けており、2024年にエブリイ PAを除く全車にCVTを設定しました。この改良により、優れた燃費性能と静粛性の高い走りを実現しています。

エブリイの荷室寸法は、荷室床面長(2名乗車)1,955mm、荷室幅1,385mm、荷室高1,240mm。助手席の背もたれを前倒ししたときの床面長(1名乗車)は2,640mmです。

エブリイは、フラットで広大な荷室空間により、荷物の積み降ろしが楽なだけでなく、車中泊をするときに足を伸ばせるなど、さまざまな使い方ができます。

新車価格:113万7,400円〜181万9,400円(税込)

スペーシアベース(スズキ)

スペーシアベース
スペーシアベース

スズキのスペーシアベースは、「遊びに仕事に空間自由自在。新しい使い方を実現する軽商用バン」をコンセプトに、商用車ならではの積載性能と広い荷室空間、使い勝手の良さと乗用車ライクなデザイン、快適性や運転のしやすさを融合した軽商用車です。

隙間のないフルフラットなフロアと低く抑えた荷室開口地上高により、使いやすく荷物の出し入れしやすい荷室空間を実現しています。また、スズキの人気軽自動車であるスペーシアと同等の乗り降りしやすいシート高や、乗り心地のよいフロントシートを装備していることもポイントです。

さらに、全車標準装備となるマルチボードを使うことで、車中泊やワーケーションなど、目的に合わせて室内空間を自由にアレンジすることもできます。

荷室寸法は、荷室床面長(2名乗車)1,375mm、荷室幅1,265mm、荷室高1,405mm。助手席の背もたれを前倒ししたときの床面長は2,030mmです。

新車価格:147万1,800円~174万4,600円(税込)

ハイゼットカーゴ(ダイハツ)

ハイゼットカーゴ
ハイゼットカーゴ

ダイハツのハイゼットカーゴは、全高が高いワンボックスタイプの軽バンです。四隅に配置されたタイヤ、後席部のスライドドアや開口部および大きいバックドアなどを備えていることが特徴です。エブリイのライバル車であるため、ハイゼットカーゴとエブリイで悩む方も多くいます。

肝心な荷室空間の寸法は、荷室床面長(2名乗車)1,965mm、荷室幅(4名乗車時)1,410mm、荷室高1,250mm。助手席の背もたれを前倒ししたときの床面長(1名乗車)は2,650mmです。

ハイゼットカーゴもライバル車エブリイと同じようにフラットで広い荷室空間を作り出すことができるため、荷物をたくさん載せるときや趣味の道具を載せるときなどに役立ちます。また、助手席の背もたれを前倒しすることで長いモノを載せられるだけでなく、車中泊するときに足をしっかり伸ばすことも可能です。

新車価格:110万円~168万3,000円(税込)

N-VAN(ホンダ)

N-VAN
N-VAN

ホンダのN-VANは、ホンダの人気軽自動車N-BOXのプラットフォームを利用した軽バンです。

燃料タンクを前席の下に収めるホンダ独自のセンタータンクレイアウト採用により荷室を低床化し、軽バンに求められる広い積載スペースと積載作業の効率化を追求しています。

また、後席に加え、助手席にもダイブダウン機構を採用することで、助手席からリアシート、テールゲートまでフラットな空間を作り出すことが可能です。さらに、軽バン初となるセンターピラーレス仕様により、助手席側の開口部が大きいこともポイントとなっています。

N-VANの荷室寸法は、荷室床面長(2名乗車)1,585mm、荷室幅1,390mm、荷室高1,370mm。助手席ダイブダウン時の床面長は2,635mmとなっています。

新車価格:139万2,600円~209万2,200円(税込)

N-VAN e:(ホンダ)

N-VANe
N-VANe

ホンダのN-VAN e:は、ガソリン車の軽バンN-VANをベースにした電気自動車タイプの軽バンです。

フラットかつ低い床面と広く大容量な荷室空間、助手席側センターピラーレスのドアなど、N-VANの特徴をそのままに、給電機能や静粛性など、EVならではの価値が加わったモデルとなっています。

一充電走行距離は、WLTCモードで245km。充電時間は、普通充電(6.0kW出力)で充電残量警告灯点灯から満充電まで約4.5時間、急速充電(50kW)で充電残量警告灯点灯から80%まで約30分となっています。

荷室寸法は、荷室床面長(2名乗車)1,585mm、荷室幅1,390mm、荷室高1,370mm。助手席ダイブダウン時の長さ2,645mmです。

高い環境性能や静粛性、モーターならではの力強い走りなどは、EVだからこそ実現できる性能です。重い荷物を載せたときでも動力不足を感じにくい軽バンを探しているのであれば、N-VAN e:も検討してみるとよいでしょう。

新車価格:269万9,400円〜291万9,400円(税込)

どの軽バンにするか迷ったら? 上手な選び方

軽バンと一言でいっても、ガソリン車や電気自動車、商用車のようなボックススタイルのモデルや乗用車モデルと同じようなデザインのクルマまで、さまざまなタイプがあります。

どの軽バンにしようか悩んだときは、軽バンをどのような目的で使うのかということを最優先に車種選びをするとよいでしょう。

例えば、荷物をたくさん載せたい、荷室空間をカスタマイズして利便性を高めたいという場合は、エブリイやハイゼットカーゴがおすすめです。

乗用車モデルのようなスタイリングの軽バンで、日常使いにおける利便性を重視する場合は、N-VANやスペーシアベースがよいでしょう。

重い荷物を載せたときでも力強い走りをしてくれる軽バンを求めていて、自宅に充電設備が用意できる場合はN-VAN e:がおすすめです。

このように、用途が明確になれば、選ぶべき車種を絞ることができます。そのため、軽バンを選ぶときは、どのような用途で利用するのかということを明確にしてからモデル選びをするとよいでしょう。

企画監修・執筆

齊藤優太
齊藤優太

自動車ライター/インストラクター/ジャーナリスト

フリーランスの自動車ライター/インストラクター/ジャーナリスト。新車ディーラーの営業職、指定自動車教習所の教習指導員、中古車買取、タクシードライバーなど、自動車に関連する仕事に従事した後フリーランスとなる。現在は、自動車ライター/インストラクター/ジャーナリストとして、さまざまな媒体へ記事を寄稿したり、メディアに出演したりしている。

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